
特定技能の義務的支援とは?10項目の内容と実施ポイントを解説【2026年版】
特定技能「外食業」は2026年4月13日から新規受入れが原則停止となりました。在留資格の更新や既存雇用の継続は引き続き可能ですが、海外からの新規招聘と他在留資格からの変更は原則認められない状態です。
外食事業者がこれからも外国人採用を続けるには、特定技能2号への移行・身分系在留資格の活用・飲食料品製造業への転換という3つの選択肢を検討する必要があります。受入れ停止の詳細と企業が今すぐ取れる対応策を、最新情報をもとに解説します。
最終更新 2026年4月29日
武藤 拓矢
2018年より外国人材支援の業界に飛び込み、技能実習・特定技能合わせてのべ600名の支援実績を持つ、外国人材支援のスペシャリスト。特定技能外国人剤の定着に定評がある合同会社エドミールの代表を務める。 保有有資格:申請等取次者、外国人雇用管理士
特定技能「外食業」は、人手不足が深刻な外食業分野に即戦力の外国人材を受け入れるための在留資格です。2019年4月の制度創設以来、飲食店・レストラン・居酒屋など幅広い事業所で活用されてきました。
技能実習と異なり「即戦力」として採用するのが前提です。技能測定試験と日本語試験に合格した外国人だけが取得できます。
外食業の特定技能外国人が担当できる業務は、主に3種類です。
調理師免許は不要で、幅広い業務を任せられる点が特徴です。ただしフードデリバリー単独での従事は対象外で、接客や調理に付随する形でのみ認められます。
受入れ可能な事業所は、食品衛生法の飲食店営業許可を受けた事業所です。
ホテルの宴会場やケータリング事業者が対象になるかは業務内容によって異なります。出入国在留管理庁の最新通知を確認してください。
特定技能制度では分野ごとに「受入れ見込み数(上限)」が政府によって設定されています。外食業は2019年度から2024年度の5年間で5万人が上限でした。
出入国在留管理庁の発表によれば、2026年2月末時点の外食業における特定技能1号在留者数は約4万6,000人に達しました。このペースが続くと2026年5月頃に上限の5万人を超える見込みとなったため、4月13日から新規受入れが原則停止されました。
特定技能制度が2019年に始まって以来、分野全体での長期的な新規受入れ停止は初めての事例です。飲食業界への影響は小さくありません。
「すべての手続きが止まる」というわけではありません。停止される手続きと継続される手続きを区別して把握することが先決です。
| 手続き | 2026年4月13日以降 |
|---|---|
| 海外からの新規招聘(在留資格認定証明書の交付申請) | 原則停止 |
| 他の在留資格から特定技能(外食業)への変更 | 原則停止 |
| 指定活動(特定技能1号準備)への移行 | 原則停止 |
| 他分野から外食業への分野変更 | 原則停止 |
| 既存の外食業・特定技能1号保持者の在留資格更新 | 継続可能 |
| 外食業内での事業所変更(転職・採用) | 継続可能 |
| 外食業・特定技能1号から2号への移行 | 継続可能 |
現在雇用中の特定技能外国人をそのまま雇い続けることは問題ありません。また外食業内に在留している人材を転職採用することも引き続き可能です。
特定技能外国人を雇用する事業者(または転職採用を検討している事業者)は、受入企業としての要件を満たし続ける必要があります。
外食業の特定技能外国人を受け入れる事業者は、一般社団法人外食業の事業展開と人材確保に取り組む団体(OTAFF)が運営する食品産業特定技能協議会への加入が必須です。
加入料は無料で、OTAFFの公式サイトからオンライン申請できます。審査には数日から数週間かかる場合があるため、採用活動の前に余裕を持って手続きしてください。
特定技能外国人の受入れには、日常生活支援・日本語学習支援・相談対応などを含む「支援計画」の作成が法律で義務付けられています。
自社で対応が難しい場合は、登録支援機関に支援業務を全部または一部委託できます。委託費用は月1〜3万円程度が目安ですが、業者によって内容が異なります。
外食業の特定技能1号が新規受入れ停止となった今、採用方針の見直しは急務です。現時点で取れる主な選択肢を3つ挙げます。
外食業の特定技能1号として既に日本に在留している外国人を、他社から採用することは引き続き可能です。
2026年2月末時点で約4万6,000人が在留していますが、転職を希望するアクティブな求職者は限られます。給与水準・シフトの柔軟さ・住居サポートなど職場環境での差別化が採用成否を分けます。人材紹介会社を活用することで、外食業内に在留している人材へのアクセスが早まります。
永住者・日本人の配偶者等・定住者などの「身分系在留資格」を持つ外国人は、就労制限なく採用できます。特定技能の制度的な制約を受けないため、今すぐ採用を確保したい場合に有効な選択肢です。
永住者は長期的な定着率が高く、管理職候補として育成しやすい点も魅力です。身分系在留資格の保有者は全国で数百万人規模おり、採用市場での競争は特定技能よりも現実的な水準に収まります。
工場でのお弁当・総菜・加工食品の製造などは「飲食料品製造業」分野として別管理です。2026年4月時点では特定技能1号の受入れが継続中のため、事業形態を整理できる場合は選択肢になります。
ただし業務内容が飲食料品製造業の定義に合致しているかを慎重に確認する必要があります。名称だけ変えて実態が外食業のままという形は在留資格違反につながります。専門家に事前相談したうえで判断してください。
受入れ停止の影響を受けにくい長期的な対応策として、現在雇用中の特定技能1号外国人の「2号」への移行支援があります。
特定技能2号は在留期間の上限がなく、家族の帯同も可能です。外食業では2024年から2号の受入れが始まっており、優秀な人材を長期的に定着させる手段として注目されています。
2号試験の合格は容易ではありません。2025年9月実施の技能測定試験の合格率は約57.8%、日本語能力試験(N3相当)の合格率は約38.5%というデータがあります。計画的な学習支援と受験費用の補助が、人材の定着率を高めます。
移行支援は採用コストの削減にもつながります。既存の人材が2号を取得すれば、外食業の受入れ上限の制限を受けずに雇用を継続できます。
2027年4月には技能実習制度に代わる「育成就労制度」が施行される予定です。育成就労は「人材育成」を主目的とし、3年間の就労後に特定技能1号への移行を前提として設計されています。
外食業が育成就労の対象分野に含まれるかどうかは2026年4月時点で未確定です。分野の選定は今後の政府の審議によって決まります。
特定技能1号の受入れ上限は「5年ごとの見直し」が予定されており、次回の改定で上限が引き上げられる可能性もあります。外食業界の現場ニーズと制度のズレを解消するうえで、業界団体や協議会を通じた働きかけも続いています。動向のウォッチを継続することが重要です。
特定技能「外食業」の新規受入れ停止は、飲食業界の採用戦略を見直すきっかけです。対応を先送りにするほど取れる手段が狭まります。今すぐ確認すべきポイントをまとめます。
在留資格に関する手続きは複雑で、申請の誤りが在留期間の空白につながることもあります。個別の手続きは行政書士や登録支援機関など、入管実務の専門家に相談のうえ進めることをお勧めします。
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