特定技能の受け入れ費用はいくら?初期費用から月額コストまで相場を徹底解説【2026年最新】

特定技能外国人を採用する場合、初期費用は海外採用で70〜180万円、国内採用で50〜80万円が相場です。これに加えて、月額2〜4万円の登録支援機関への委託費が継続的にかかります。

送り出し機関手数料・在留資格申請費・支援委託費など、費用項目ごとの内訳と2026年の最新相場を表でまとめています。本人負担の可否や費用削減の方法も合わせて確認できます。

最終更新 2026年4月29日

合同会社エドミール代表社員 武藤 拓矢

武藤 拓矢

2018年より外国人材支援の業界に飛び込み、技能実習・特定技能合わせてのべ600名の支援実績を持つ、外国人材支援のスペシャリスト。特定技能外国人剤の定着に定評がある合同会社エドミールの代表を務める。 保有有資格:申請等取次者、外国人雇用管理士

プロフィール詳細

特定技能の受け入れにかかる費用の全体像

受け入れ費用は「初期費用(イニシャルコスト)」と「月額費用(ランニングコスト)」の2種類に分かれます。この2つを分けて把握しておくと、採用前の資金計画が立てやすくなります。

初期費用と月額費用に分けて考える

初期費用は、採用が決まってから就労開始までの一度きりのコストです。送り出し機関への手数料、人材紹介費用、在留資格申請費などが含まれます。

月額費用は雇用期間中ずっとかかります。登録支援機関への委託費や社会保険料が代表例で、雇用が長くなるほど総コストに占める割合が大きくなります。

海外採用と国内採用で総額が大きく変わる

海外在住の外国人を採用するか、日本に在留している外国人を採用するかで、初期費用が数十万円単位で変わります。

採用パターン 初期費用の目安
海外から採用 70〜180万円
国内在留外国人を採用 50〜80万円
技能実習生からの移行 20〜50万円

海外採用では送り出し機関手数料と渡航費が上乗せされます。技能実習生からの移行は、この2項目がほぼ不要になるため、最もコストを抑えられる選択肢です。

初期費用(イニシャルコスト)の内訳と相場

初期費用は大きく6つに分かれます。採用パターンによって発生しない項目もあるので、自社のケースに照らし合わせて確認してください。

送り出し機関への手数料(海外採用のみ)

海外在住の外国人を採用する場合、現地の送り出し機関を通じて候補者を紹介してもらうのが一般的です。この手数料が1人あたり20〜50万円ほどかかります。国によって金額は変わります。

フィリピン・カンボジア・ベトナムなど、日本と二国間協定(MOC)を締結している国では、送り出し機関が徴収できる手数料に上限が設けられています。過大請求には注意してください。

人材紹介会社への採用費用

求人媒体や人材紹介会社を使う場合、紹介手数料がかかります。相場は1人あたり10〜60万円と幅があります。

特定技能に特化した紹介会社は技能試験のサポートまで行うため、費用は高めです。ただ、採用まで手厚くフォローしてもらえるため、初めて受け入れる企業には向いています。求人媒体のみで採用できればこの費用を省けます。

在留資格申請費用

在留資格の申請自体は無料です。ただ、行政書士に手続きを依頼する場合は5〜15万円がかかります。

2026年に施行された行政書士法の改正により、登録支援機関が企業に代わって申請書類を作成・提出することに一定の制限が加わりました。申請代行は行政書士の資格を持つ専門家に頼むのが安全です。

渡航費・赴任費用

海外採用では、来日のための渡航費を企業が負担するのが基本です。出発国によりますが、5〜15万円が目安です。

到着後の送迎費や、空港からの移動費が別途かかるケースもあります。見落としやすい費用なので、事前に確認しておくと安心です。

住居確保にかかる費用

来日する外国人の住居を企業が手配するケースは多くあります。義務ではありませんが、国内にすぐ使える住居がない場合は探す必要があります。

敷金・礼金・仲介手数料を合わせると15〜30万円前後になることが多いです。初期費用として試算に入れておきましょう。

健康診断費用

在留資格申請の際に現地での健康診断書が必要になることがあります。1〜3万円程度で、企業が負担するのが通例です。

月額費用(ランニングコスト)の内訳と相場

月額費用は主に3種類です。雇用期間が長くなるほど積み上がるため、採用計画を立てる前に必ず試算してください。

登録支援機関への支援委託費

特定技能1号の外国人を雇う場合、企業は「義務的支援」を実施しなければなりません。この支援業務を登録支援機関に委託するケースがほとんどで、月額1〜4万円が相場です。

外国人1人につき毎月かかるため、3名雇用なら月3〜12万円になります。支援業務を自社で完結できる体制があれば委託しなくて済むので、コスト削減の余地があります。

ビザ更新申請費用(年次)

特定技能1号は最長1年ごとに在留資格の更新が必要です。行政書士に依頼すると1回あたり3〜8万円かかります。雇用が続く限り毎年発生する費用です。

給与・社会保険・福利厚生

外国人労働者にも最低賃金が適用されます。健康保険・厚生年金・雇用保険への加入も義務で、社会保険料は企業と本人で折半します。

法律上、特定技能外国人には日本人と「同等以上」の賃金を払う必要があります。低く設定すると在留資格の更新が認められないこともあります。

費用で本人負担にできるものとできないもの

特定技能の費用には、本人が負担してよいものと、企業が全額出さなければいけないものがあります。間違えると法令違反になるので、あらかじめ整理しておきましょう。

本人が負担してよい費用の例

  • 通勤以外の私的な国内移動費
  • 本人が希望する語学学習費用
  • 日常の医療費(通常の診療)
  • 住居賃料の一部(妥当な範囲)

これらはあくまで代表例です。法令の解釈は変わることがあるので、具体的なケースは行政書士や登録支援機関に確認してください。

絶対に本人に負担させてはいけない費用

  • 在留資格申請費用(全額企業負担)
  • 送り出し機関への手数料
  • 義務的支援にかかる費用
  • 特定技能試験の受験料(採用を条件に負担させることは禁止)
  • 渡航費(帰国時を含む)

これらを本人に負担させた場合、出入国管理法違反になるリスクがあります。制度改正が続いているため、出入国在留管理庁の公式サイトで最新情報を確認するか、専門家に相談してください。

採用パターン別の費用シミュレーション

採用ルートによって初期費用は大きく変わります。4つのパターンで費用の目安を確認しましょう。

海外から採用する場合(初期費用70〜180万円)

送り出し手数料・渡航費を含む全ての費用が発生するパターンです。

費用項目 相場
送り出し機関手数料 20〜50万円
人材紹介手数料 10〜60万円
在留資格申請費 5〜15万円
渡航費 5〜15万円
健康診断費 1〜3万円
住居初期費用 15〜30万円(任意)
合計目安 70〜180万円前後

人材紹介会社と送り出し機関の組み合わせ次第で費用幅がかなり広がります。最低でも2〜3社から見積もりを取ると比較しやすいです。

国内在留外国人を採用する場合(初期費用50〜80万円)

日本に在留している外国人を採用する場合、送り出し機関手数料と渡航費が丸ごと不要になります。

費用項目 相場
人材紹介手数料 10〜50万円
在留資格変更申請費 5〜15万円
住居初期費用 15〜30万円(任意)
合計目安 50〜80万円前後

技能実習生からの移行(最もコストが低い)

自社の技能実習生が修了後に特定技能へ移行する場合、送り出し手数料・渡航費・人材紹介費がほぼゼロになります。初期費用は在留資格変更申請費(5〜15万円)と健康診断費程度で、20〜30万円に収まるケースも多いです。

業務に慣れた人材をそのまま続けて雇えるのも実務上のメリットです。技能実習生がいる企業には、まず移行を検討する価値があります。

建設分野(JAC費用が加算)

建設分野は、一般社団法人建設技能人材機構(JAC)への加入が義務です。外国人1人あたり月額12,500円の受入負担金がかかり、年間で約15万円の追加コストになります。

工業製品製造業分野(JAIM)でも同様の費用があります。建設・製造系の分野で採用する場合は、この費用を上乗せして計算してください。

特定技能の受け入れ費用を抑える3つの方法

法令の範囲内でできる費用削減の方法を3つ紹介します。

国内在留者を優先して採用する

海外採用から国内採用に切り替えるだけで、送り出し機関手数料(20〜50万円)と渡航費(5〜15万円)を節約できます。在留資格試験に合格した留学生や、在留資格の切り替えを希望している外国人を対象にすると効率よく探せます。

支援業務を自社で対応する

登録支援機関への委託費(月1〜4万円)を削減できる方法が、自社支援体制の構築です。ただし、外国語での相談対応や定期面談の記録など、義務的支援を全項目こなせる体制が必要です。社内の負荷を考えると、雇用人数が増えてきた段階で判断するのが現実的だと思います。

雇用関連の助成金を活用する

厚生労働省のキャリアアップ助成金(正社員化コースで最大72万円)は、外国人雇用にも使えます。受給条件や手続きは複雑なので、社会保険労務士や助成金専門機関に早めに相談しておくと、申請機会を逃しにくくなります。

費用に関する注意点

不当な費用徴収に注意する

採用・手続き費用を外国人本人から取ることは原則禁止です。問題になりやすいのが、海外の送り出し機関が外国人に過大な手数料を求めるケースです。

MOC(二国間協定)締結国では送り出し機関が徴収できる費用に上限があります。不正な費用徴収が疑われる場合は、出入国在留管理庁の相談窓口に連絡してください。

2026年行政書士法改正で手続き外注のルールが変わる

2026年の行政書士法改正で、登録支援機関が企業の代わりに在留資格申請書類を作成・提出することへの規制が強まりました。書類作成や申請代行は、必ず行政書士に依頼するようにしてください。

よくある質問

特定技能の採用費用は1人いくらかかりますか?
採用パターンによって変わります。海外から採用する場合は初期費用70〜180万円、国内在留外国人は50〜80万円、技能実習生からの移行は20〜50万円が目安です。これに加えて月額2〜4万円の登録支援機関委託費が継続費用としてかかります。

特定技能の費用を外国人本人に負担させてもよいですか?
在留資格申請費・送り出し機関手数料・渡航費・義務的支援費用を本人に負担させることは禁止されています。これらを負担させると法令違反になります。具体的な負担範囲は行政書士や登録支援機関に確認してください。

登録支援機関への委託費はいくらですか?
月額1〜4万円が相場です。外国人1人につき毎月かかるため、複数名を雇う場合はその分が必要です。年間では12〜48万円になります。自社で支援業務を完結できる体制があれば委託しなくて済みます。

建設分野の特定技能は費用が高くなりますか?
はい。建設分野はJAC(一般社団法人建設技能人材機構)への加入が義務で、外国人1人あたり月額12,500円の受入負担金が加算されます。年間で約15万円の追加費用です。

特定技能の費用を抑えるにはどうすればよいですか?
主に3つの方法があります。①送り出し手数料・渡航費が不要な国内在留外国人を優先採用する、②義務的支援を自社対応して登録支援機関への委託費をなくす、③キャリアアップ助成金など雇用助成金を活用する、です。自社の体制に合わせて組み合わせると効果的です。

技能実習生を特定技能に移行させる場合の費用はいくらですか?
送り出し手数料・渡航費・人材紹介費がほぼ不要になるため、初期費用は20〜30万円程度に収まるケースが多いです。主な費用は在留資格変更申請費(5〜15万円)と健康診断費(1〜3万円)です。

まとめ

特定技能外国人の受け入れ費用は、採用パターンによって初期費用が20〜180万円と大きく変わります。海外採用は送り出し手数料・渡航費が加わるため高くなり、国内採用や技能実習からの移行ではかなり抑えられます。

  • 初期費用には送り出し機関手数料・人材紹介費・在留資格申請費・渡航費・住居費がかかる
  • 雇用中は登録支援機関委託費(月1〜4万円)・ビザ更新費・給与・社会保険が継続してかかる
  • 在留資格申請費・送り出し手数料・渡航費・義務的支援費は本人に負担させてはいけない
  • 建設分野はJAC費用(月12,500円/人)が別途かかる

費用は業種や採用経路によって変わります。具体的な見積もりや法令上の取り扱いは、行政書士や登録支援機関などの専門家に確認するのが確実です。

MORE美編集チーム

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