特定技能「建設」とは?業務区分・受け入れ要件・費用を徹底解説【2026年版】

特定技能「建設」は、人手不足が深刻な建設業界で外国人材を即戦力として雇用できる在留資格です。2024年12月時点での就労者数は38,365名。農業・飲食料品製造と並ぶ主要分野として、受け入れが急速に広がっています。

建設分野は他の特定技能分野と違い、JAC加入・国土交通省の受入計画認定・CCUS登録という3つの固有手続きがあります。受け入れ要件・業務区分・費用の目安を順に確認していきます。

最終更新 2026年4月29日

合同会社エドミール代表社員 武藤 拓矢

武藤 拓矢

2018年より外国人材支援の業界に飛び込み、技能実習・特定技能合わせてのべ600名の支援実績を持つ、外国人材支援のスペシャリスト。特定技能外国人剤の定着に定評がある合同会社エドミールの代表を務める。 保有有資格:申請等取次者、外国人雇用管理士

プロフィール詳細

特定技能「建設」とは

制度の概要

特定技能は、特定の産業分野で即戦力となる外国人労働者を受け入れるための在留資格です。2019年4月に創設され、建設分野を含む12の特定産業分野で使われています。

技能実習制度との違いは大きく2点。即戦力としての就労が前提であること、労働者本人の意思による同一職種内での転籍が認められていることです。

建設分野が設立された背景

建設業の就業者数は1997年のピーク時に約685万人でしたが、2023年時点では約483万人まで減っています(国土交通省)。高齢化と若年入職者の減少が重なった、構造的な人手不足です。

出入国在留管理庁の公表データによると、2024年12月時点での建設分野の特定技能外国人は38,365名。2019年の制度開始から5年あまりで、これだけの規模に広がっています。

2022年8月には閣議決定により業務区分が従来の19区分から3区分に統合されました。関連業務をまとめて担当できるようになり、現場での人員配置に柔軟性が出ています。

特定技能1号と2号の違い

建設分野は1号から2号への移行が認められており、外国人材が長期キャリアを築ける制度設計になっています。

1号は在留期間が通算5年まで。家族帯同は原則不可で、技能評価試験と日本語試験の合格(または技能実習2号修了)が条件です。2号は在留期間の上限がなく更新し続けられます。家族帯同も認められますが、実技試験でより高い技能レベルを証明する必要があります。

即戦力として採用した外国人材を長く定着させたい場合、2号移行を見越したキャリアプランを最初から設計しておくと、離職リスクが下がります。

建設分野の3つの業務区分

2022年8月の改正で、建設分野の業務区分は3つに整理されました。

土木区分

道路・橋梁・トンネル・河川・港湾など、土木施設の新設・改築・維持・修繕が対象です。型枠施工・鉄筋施工・コンクリート圧送・トンネル推進工・土工・海洋土木工などを含みます。土木工事の現場作業はほぼこの1区分でカバーできます。

建築区分

住宅・商業施設など建築物の建設・改修・維持・修繕が対象です。内装仕上げ・表装・とび・建築大工・屋根ふき・電気通信・鉄筋継手・保温保冷・吹付ウレタン断熱などが含まれます。

ライフライン・設備区分

電気・ガス・水道・通信・空調など、生活インフラの設置・変更・修繕が対象です。電気工事・配管・空調・通信配線といった設備系工事を広くカバーしています。

統合前は区分をまたぐ業務に別々の対応が必要でした。3区分への整理で、複合的な現場作業も同じ在留資格で対応できるようになっています。

外国人が特定技能「建設」で働くための要件

技能評価試験

特定技能1号の取得には、建設分野の技能評価試験に合格する必要があります。学科試験と実技試験があり、CBT(コンピューター試験)方式で実施されます。出題はひらがな表記が基本なので、日本語がまだ不十分な段階でも受験しやすい設計です。試験実施機関は国土交通省が指定する建設技能人材機構(JAC)などです。

日本語能力要件

N4以上に相当する日本語能力が必要です。証明方法は次の2つです。

  • 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)に合格する
  • 日本語能力試験(JLPT)N4以上に合格する

安全指示を正確に受け取れることが現場での前提条件になります。試験合格後も、現場での語学研修を続けている企業が多いです。

技能実習2号修了者は試験免除

建設分野の技能実習2号を良好に修了した外国人は、技能評価試験・日本語試験の両方が免除されます。

技能実習生を受け入れている企業なら、実習2号修了のタイミングで特定技能へ移行させるルートが一番スムーズです。ただし在留期間の管理や書類要件は個別状況によって変わるため、行政書士に事前確認しておくと手戻りが少なくなります。

企業が特定技能「建設」外国人を受け入れるための4つの要件

建設分野固有の受け入れ条件が3つあります。他の特定技能分野より手続きが多い分、準備期間を長めに見ておくことが現実的です。

JAC(建設技能人材機構)への加入

特定技能外国人を受け入れる建設企業はJAC(一般社団法人建設技能人材機構)への加入が必要です。建設分野では人材ブローカーを経由した採用が禁止されており、JACルート以外は使えません。

加入形態は2種類。正会員(年会費36万円)は建設業の各業種団体に所属している場合、賛助会員(24万円)はJACに直接加入する場合です。加入区分で義務内容や手続きが変わるため、自社の状況を先に確認してから進めましょう。

建設特定技能受入計画の国土交通省認定

国土交通省による「建設特定技能受入計画」の認定が必要です。他の特定技能分野にはない、建設分野だけの手続きです。受け入れる外国人の業務内容・雇用条件・キャリアパスを記載した計画を提出し、認定を受けてから出入国在留管理庁への在留資格申請に進みます。

建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録

受け入れ企業と受け入れる外国人の両方が、建設キャリアアップシステム(CCUS)に登録する必要があります。CCUSは建設技能者の就労履歴と技能を記録するシステムで、未登録での受け入れは認められません。登録手続きに数週間かかることがあるため、早めに動き始めるのが無難です。

人員比率の上限

常勤の技能者数(特定技能外国人を除く)を超えて特定技能外国人を受け入れることはできません。常勤技能者が5名いれば、受け入れられる特定技能外国人は最大5名です。アルバイトや日雇いはこの「常勤職員数」に含まれません。正社員・契約社員など常勤雇用の人数が基準になります。

特定技能「建設」外国人を受け入れるまでの流れ

採用ルートの選択

採用ルートは大きく2つです。

  • 技能実習2号を修了した外国人が在留資格を変更する国内転籍ルート。試験免除でスムーズに進め、既存の現場で継続就業できます
  • 試験に合格した海外在住者を呼び寄せる海外採用ルート。採用母集団は広がりますが、渡航・生活支援の初期コストがかかります

受け入れ手続きの5ステップ

  1. JACへの加入手続きと建設業許可の有効期限確認からスタートします
  2. 建設キャリアアップシステム(CCUS)に事業者として登録します
  3. 国土交通省に建設特定技能受入計画を申請します。審査に数週間〜数か月かかることがあります
  4. 出入国在留管理庁に在留資格申請を行います。海外採用なら在留資格認定証明書交付申請、国内転籍なら在留資格変更許可申請です
  5. CCUS技能者登録が完了したら就労開始です。支援計画に基づく定期面談や生活支援をその後も続けます

受け入れにかかる費用の目安

JAC費用(会費・支援負担金)

年会費(正会員36万円、賛助会員24万円)のほかに、受け入れ1名あたりの月額支援負担金が発生します。就業支援・生活支援サービスの費用で、月額数万円が目安です。受け入れ人数や加入形態で変わるため、JACに直接確認してください。

登録支援機関費・その他コスト

生活相談・定期面談などを登録支援機関に委託する場合、月額2〜5万円程度の費用がかかります。担当者の工数と外注コストを比べてどちらが合うか判断するといいでしょう。

初期費用としては、在留資格申請の手数料(行政書士費用込みで10〜30万円程度)、CCUS登録料(1名あたり数千円)があります。海外採用の場合は渡航費・住居確保費も加わります。費用の詳細はJAC公式窓口か行政書士に確認するのが確実です。

まとめ

2024年末時点で約38,000名が就労する建設分野の特定技能。人手不足が続く業界での選択肢として、今後も欠かせない制度になりそうです。

他の特定技能分野と違い、JAC加入・受入計画認定・CCUS登録という3つの固有手続きがあります。書類も多く、審査に時間がかかるステップもあるため、採用を決めたら早めに動き出すのが得策です。

在留資格の申請・手続きは個別の状況で要件や書類が変わります。本記事は情報提供を目的としており、個別案件の法的助言に代わるものではありません。具体的な手続きは、行政書士や出入国在留管理庁の専門家に相談してください。

MORE美編集チーム

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