特定技能「自動車整備」とは?業務内容・受入要件・試験まで徹底解説【2026年版】

特定技能「自動車整備」とは?業務内容・受入要件・試験まで徹底解説【2026年版】

特定技能「自動車整備」は、整備業界の人手不足に対応するため2019年に創設された在留資格です。認証整備工場であれば、技術力のある外国人材を直接雇用できます。

業務範囲・企業要件・評価試験・採用手続き・特定技能2号への移行まで、採用担当者が最初に確認すべき情報をまとめています。在留資格の申請手続きは個々の状況により異なるため、最終的な判断は行政書士などの専門家にご確認ください。

公開日 2026年4月29日
最終更新日 2026年4月29日

武藤 拓矢

武藤 拓矢

2018年より外国人材支援の業界に飛び込み、技能実習・特定技能合わせてのべ700名の支援実績を持つ、外国人材支援のスペシャリスト。特定技能外国人材の定着に定評がある合同会社エドミールの代表を務める。

プロフィール詳細

特定技能「自動車整備」とは

2019年4月に施行された改正入管法(出入国管理及び難民認定法)で新設された在留資格です。特定産業分野の一つで、自動車整備業の即戦力となる外国人材の受入れを目的としています。

技術水準によって「特定技能1号」と「特定技能2号」に区分され、1号から始まり要件を満たせば2号へ移行できます。

自動車整備業で特定技能が創設された背景

自動車整備分野では、人手不足に対応するため特定技能外国人を受け入れています。

現役整備士の高齢化と若年層の入職減が重なり、1人あたりの業務量は増え続けています。安全な車検・点検体制を維持する手段として、外国人材の活用が現場でも現実的な選択肢になっています。

在留者数は出入国在留管理庁の基準日別統計で確認できます。

特定技能1号と2号の比較

1号と2号では技能水準と在留条件が大きく異なります。

項目 特定技能1号 特定技能2号
技能水準 相当程度の知識・経験 熟練した技能(1号の上位)
在留期間 通算最長5年 更新回数に上限なし
家族帯同 原則不可 配偶者・子の同伴可
日本語試験 必要(試験免除あり) 不要

特定技能「自動車整備」で従事できる業務

認められる業務は道路運送車両法に基づく整備作業が中心です。整備と無関係な作業を日常的にやらせることはできません。

主要業務

  • 日常点検整備(走行前の基本確認)
  • 定期点検整備(12ヶ月・24ヶ月点検など法定点検)
  • 特定整備及び特定整備に付随する業務(電子制御装置の整備等を含む)

整備経験のある人材であれば、入社直後から現場で戦力になります。

付随業務

  • フロント業務(来客対応・作業内容の説明)
  • 部品の在庫管理・発注補助
  • 整備スペースの清掃・整頓

あくまで主要業務に付随する範囲です。付随業務だけをやらせることは認められません。

企業(受入機関)が満たすべき要件

一般の特定技能要件に加えて、自動車整備分野には独自の要件があります。事前に確認しておかないと、申請段階で詰まることがあります。

地方運輸局長の認証が必要

道路運送車両法第78条に基づく認証整備工場であることが条件です。認証のない工場では受入れできません。

認証番号は工場内に掲示されているため、すぐに確認できます。未取得の場合は認証申請を先に済ませる必要があります。

自動車整備分野特定技能協議会への加入

国土交通省が所管する「自動車整備分野特定技能協議会」への加入が義務付けられています。在留資格申請の前に加入を終わらせる必要があります。

提出方法は管轄の地方運輸局で確認してください。加入後は定期報告や情報共有への協力が求められます。

支援体制の整備

特定技能1号の外国人を雇用する場合、入社前のオリエンテーションから定期面談・相談対応まで支援計画の実施が必須です。

自社対応か登録支援機関への委託かを選べます。初めて採用する企業には委託が現実的です。

その他の主な要件

  • 直接雇用のみ(派遣形態は不可)
  • 報酬は同職種の日本人と同等以上
  • 社会保険・労働保険への加入

外国人材が特定技能「自動車整備」を取得するための要件

技能試験と日本語試験の両方に合格する必要があります。ただし、経歴によっては試験が免除されます。

自動車整備分野特定技能評価試験

学科試験と実技試験の2種類があります。

  • 学科試験:自動車の構造・整備の基礎知識(30問・60分・合格基準65%以上)
  • 実技試験:CBT方式の判断等試験(3課題・20分・合格基準60%以上)

試験の実施国・会場・受験料は、試験実施機関の最新案内で確認してください。

日本語能力試験

以下どちらかに合格していれば要件を満たします。

  • 日本語能力試験(JLPT)N4以上
  • 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)合格

N4は「日常的な日本語をある程度理解できる」水準です。整備現場での指示理解と顧客対応の基本的なコミュニケーションを想定した基準です。

試験免除になるケース

  • 自動車整備職種で技能実習2号を良好に修了:技能試験・日本語試験の両方が免除
  • 自動車整備士技能検定3級以上を取得済み:技能試験のみ免除

技能実習から移行する場合は手続きが比較的シンプルです。実習生の受入れ実績がある企業には、移行採用が使いやすい選択肢になります。

採用から就労開始までの流れ

国内在住者の在留資格変更と、海外からの呼び寄せ(在留資格認定)で手順が異なります。

国内在住者を採用する場合(在留資格変更)

  1. 候補者の選定・採用面接
  2. 特定技能雇用契約の締結
  3. 支援計画の策定(または登録支援機関との委託契約)
  4. 協議会への加入確認
  5. 地方出入国在留管理局への在留資格変更許可申請
  6. 許可証受領後に就労開始

採用から就労開始までの期間は、申請の種類と審査状況、渡航準備などによって異なります。出入国在留管理庁の現行案内を確認し、余裕を持って準備してください。

海外から呼び寄せる場合(在留資格認定)

  1. 評価試験・日本語試験に合格済みの候補者を選定
  2. 採用面接(オンライン可)・雇用条件の確定
  3. 在留資格認定証明書の申請
  4. 証明書をもとに候補者がビザ申請・取得
  5. 来日・入国後に就労開始

採用から就労開始までの期間は、申請の種類と審査状況、渡航準備などによって異なります。出入国在留管理庁の現行案内を確認し、余裕を持って準備してください。

特定技能2号「自動車整備」への移行と長期定着

2023年6月の制度改正で、自動車整備分野も特定技能2号の対象になりました。「1号で採用して終わり」ではなく、長く働いてもらう道が制度上も整ってきています。

特定技能2号の要件

  • 認証事業場で3年以上の実務経験を積み、自動車整備分野特定技能2号評価試験に合格するルート
  • 2級自動車整備士技能検定に合格するルート

上記のいずれかのルートで要件を満たし、2号を取得すると在留期間の上限がなくなります。配偶者や子どもを日本に呼び寄せることも可能です。

企業側から見るとどう変わるか

長く働いてもらえれば、採用や研修にかかったコストが回収しやすくなります。家族を呼べるようになることで、本人の定住意欲も変わります。「5年で終わり」ではなくなったことで、雇用計画の立て方も変わってくるはずです。

よくある質問

バイク(二輪自動車)専門の整備工場でも受け入れ可能ですか?
可能です。道路運送車両法に基づく認証を受けた事業場であれば、二輪自動車専門でも受け入れられます。業務内容は二輪整備に関する分解整備・点検整備に限られます。
ガソリンスタンドでも採用できますか?
整備認証を取得しているガソリンスタンドであれば可能です。給油専業で認証を持っていない店舗では採用できません。
特定技能外国人の転職は認められていますか?
転職は可能ですが、勤務先や業務を変える前に、出入国在留管理庁の現行手続を確認してください。届出と在留資格の許可手続は区別して準備しましょう。
整備士資格を持っていない外国人でも採用できますか?
できます。整備士技能検定の取得は必須ではありません。取得していれば技能試験が免除されるというだけです。評価試験と日本語試験に合格していれば、資格がなくても特定技能1号として働けます。
支援計画は自社で作らなければなりませんか?
自社で支援体制の要件を満たすか、登録支援機関に支援の全部を委託する方法があります。一部委託の場合も自社の支援体制基準を満たす必要があります。費用は支援内容・人数・対応言語・契約条件によって異なります。初期費用と月額料金、追加費用の内訳を見積もりで確認してください。

まとめ

採用から就労開始までの期間は、申請の種類と審査状況、渡航準備などによって異なります。出入国在留管理庁の現行案内を確認し、余裕を持って準備してください。

整備士の採用難が続く中、外国人材は現実的な選択肢の一つです。2号制度の整備で長期定着の道も開けました。早めに動いた企業ほど、採用のノウハウと信頼関係を先行して積めます。

参考:国土交通省:自動車整備の受入れ

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