特定技能1号と2号の違いとは?在留期間・家族帯同・永住権を6項目で徹底比較

特定技能1号と2号の違いを一言で言うと、「5年で終わるか、ずっと働けるか」の差です。1号は通算5年が上限で家族も呼べませんが、2号は在留期間の上限がなく、条件を満たせば家族と日本で暮らせます。在留期間・技能水準・日本語要件・永住権など6つの観点から、具体的に比べていきます。

2023年6月の法改正で2号の対象分野が一気に拡大し、農業・飲食・外食なども2号への道が開かれました。2027年4月には技能実習の後継制度「育成就労」も始まる予定で、ここ数年で制度の変化が一気に加速しています。

最終更新 2026年4月29日

合同会社エドミール代表社員 武藤 拓矢

武藤 拓矢

2018年より外国人材支援の業界に飛び込み、技能実習・特定技能合わせてのべ600名の支援実績を持つ、外国人材支援のスペシャリスト。特定技能外国人剤の定着に定評がある合同会社エドミールの代表を務める。 保有有資格:申請等取次者、外国人雇用管理士

プロフィール詳細

特定技能とは?制度の基本

特定技能は、人手不足が深刻な産業分野に即戦力の外国人を受け入れるための在留資格で、2019年4月に創設されました。技能実習が「国際貢献・技術移転」の建前で運用されていたのに対し、特定技能は「労働力の確保」をはっきり目的に掲げた点が大きな違いです。

1号と2号の2種類がある

特定技能は技能水準と在留条件の異なる「1号」と「2号」の2種類に分かれています。1号が「相当程度の知識または経験を要する技能」なのに対し、2号は「熟練した技能」を持つ外国人が対象です。

対象分野(1号と2号で異なる)

特定技能1号は16分野が対象です。2号は2023年の改正で介護を除く多くの分野に拡大されました。

分野 特定技能1号 特定技能2号
介護 ×
ビルクリーニング
工業製品製造業
建設
造船・舶用工業
自動車整備
航空
宿泊
農業
漁業
飲食料品製造業
外食業
自動車運送業
鉄道
林業
木材産業

介護だけ2号の対象外なのは、介護福祉士という別の在留資格への移行を前提にしているからです。

特定技能1号と2号の違い一覧

項目 特定技能1号 特定技能2号
在留期間の上限 通算5年 上限なし
技能水準 相当程度の知識・経験 熟練した技能
日本語能力試験 必要(N4以上相当) 不要
外国人支援(登録支援機関) 義務 不要
家族帯同 原則不可 要件を満たせば可
永住権申請 5年上限のため単独では難しい 条件を満たしやすい

在留期間の違い

1号は通算5年が上限

特定技能1号は1回の在留許可で最長1年(分野によっては4か月または6か月)が与えられます。更新は可能ですが、通算5年を超えられません。5年後も日本で働くには、特定技能2号か別の在留資格への変更が必要です。

2号は更新を繰り返せば無期限

特定技能2号は1回の許可で最長3年。更新に上限がないため、要件を満たし続ければ在留し続けられます。

必要な技能水準の違い

特定技能1号は、日常業務を一通りこなせるレベルが基準です。対して2号は、複数の職種を束ねて指導・監督できる熟練度が必要で、分野ごとの技能評価試験でそれを証明します。

2号の試験はハードルが高く、建設分野では現場での実績証明も求められます。実際に1号で2〜3年経験を積んでから2号を目指すケースがほとんどです。

日本語能力要件の違い

特定技能1号はN4以上(または「日本語基礎テスト」合格)が必要です。日常会話レベルを求めています。

2号には日本語試験の要件がありません。2号評価試験自体のレベルが高く、試験をクリアできれば実務に必要な日本語力があるとみなされます。

外国人支援(登録支援機関)の要否

特定技能1号の外国人を受け入れる企業は、住居確保・生活オリエンテーション・日本語学習支援・定期面談など10項目の支援が義務です。自社でまかなえない場合は「登録支援機関」に委託します。費用の目安は月1〜3万円です。

2号ではこの支援義務がなくなります。高い技能水準が日本社会への適応力も担保している、という判断です。

家族帯同の可否

特定技能1号は原則、家族を呼べません。単身での就労が前提です。

2号は条件を満たせば配偶者・子どもの帯同が認められます。「特定活動」の在留資格を取得する形で、家族と一緒に暮らせます。

永住権取得の可能性

特定技能1号での在留期間は、永住権申請に必要な「10年以上の継続在留」にカウントされます。ただし1号は最長5年なので、永住を目指すなら2号や他の在留資格との組み合わせが必要です。

特定技能2号なら在留上限がないため、2号のまま10年在留を続けて永住要件を満たす道が現実的になります。出入国在留管理庁の永住許可ガイドライン(令和5年12月改訂版)にも、特定技能2号が継続在留要件に適合しうると明記されています。

特定技能1号の取得方法

技能評価試験と日本語能力試験に合格する

分野ごとの「特定技能評価試験」とN4以上相当の日本語試験の両方に合格することで申請できます。国内・海外どちらからでも受験可能です。

技能実習2号を修了して移行する

技能実習2号を良好に修了した外国人は、試験免除で特定技能1号に移行できます。ただし実習の職種と特定技能の分野が一致していることが条件です。

特定技能2号の取得方法

対象分野の「特定技能2号評価試験」に合格することで取得できます。管理・監督業務をこなせる高度な技能が問われるため、1号で実務を積んでから受験するのが現実的です。

1号のような技能実習からの直接移行ルートはありません。建設など一部の分野では追加の実績証明も必要です。

2023年の法改正で2号の対象が一気に広がった

2023年6月9日の入管法等改正まで、特定技能2号の対象は「建設」「造船・舶用工業」の2分野だけでした。改正後は介護を除く多くの分野に拡大し、農業・飲食料品製造・外食業なども2号を目指せるようになっています。

この改正によって、外国人が「1号で5年」で終わらず、長く働き続けられる選択肢が大きく広がりました。受け入れ企業にとっても、長期的な人材育成の設計がしやすくなっています。

2027年から始まる「育成就労制度」との関係

2024年6月に成立した改正入管法により、2027年4月から「育成就労制度」が始まる予定です。技能実習制度の後継で、「労働力確保」と「人材育成」の両立を目的としています。

育成就労を修了した外国人は、特定技能1号への移行がよりスムーズになる見込みです。ただし制度の細部は今後の省令で確定するため、出入国在留管理庁の公式サイトで最新情報を確認してください。

※本記事は情報提供を目的としており、個別の在留資格申請や法的判断の代替ではありません。具体的な手続きは、入管法を専門とする行政書士または出入国在留管理庁にご相談ください。

よくある質問

特定技能1号から2号に移行するにはどうすればいいですか?
対象分野の特定技能2号評価試験に合格することが必要です。試験内容は分野ごとに異なり、管理・監督業務をこなせる高い技能が問われます。1号で実務経験を積んでから受験するのが一般的です。

特定技能2号を取得すれば永住権を申請できますか?
2号での在留期間は永住申請に必要な「10年以上の継続在留」にカウントされます。在留上限がないため、2号のまま10年以上在留し続けることで永住の要件を満たせる可能性があります。ただし収入・納税・素行など他の要件も満たす必要があります。

特定技能1号で5年を超えて働くことはできますか?
できません。特定技能1号は通算5年が上限です。5年後も日本で働くには、特定技能2号または介護福祉士などへの在留資格変更が必要になります。

特定技能1号と技能実習はどう違いますか?
技能実習は「国際貢献・技術移転」が建前で、転職(転籍)が原則禁止でした。特定技能は「即戦力の確保」を目的とし、同一分野内での転職が認められています。また技能実習2号を修了すれば、試験免除で特定技能1号に移行できます。

介護分野は特定技能2号の対象外ですか?
2026年現在、介護分野は特定技能2号の対象外です。介護では「介護福祉士」という別の在留資格に移行することで長期就労や永住要件の充足が可能です。

MORE美編集チーム

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