給与所得控除とは?3つの控除の種類と収入(給料)・所得・課税所得の違いについて

給与所得控除とは?3つの控除の種類と収入(給料)・所得・課税所得の違いについて

「給与所得控除」という言葉を聞いたことはあると思いますが、ほとんどの人が説明できないと思います。

さらに、所得控除との違い、税額控除の違いとなると、混乱してしまうと思います。

今回は、給与所得控除の基本的な知識、さらに所得控除・税額控除についてをお伝えしようと思います。

公開日 2018年8月24日
最終更新日 2026年10月14日

会社員の強い味方「給与所得控除」

机の上で男女4人がパソコンで作業をしている

控除とは、税金を計算する際に一人一人の状況を考慮して納税額を減額する働きを持っており、会社員(正確には給与所得者)は経費という概念がない代わりに、給与所得控除を活用できる仕組みになっています。

控除は貰えるお金が減るということではなく、あくまで税金の計算時に使われる値です。

給与所得控除は年分と給与収入によって異なります。令和7年分の上限は195万円です。令和8年分・令和9年分について国税庁が公表している表は次のとおりです。

給与収入給与所得控除額(令和8年分・令和9年分)
220万円まで74万円
220万円超〜360万円収入金額×30%+8万円
360万円超〜660万円収入金額×20%+44万円
660万円超〜850万円収入金額×10%+110万円
850万円超195万円(上限)

この改正は令和8年12月1日施行、令和8年分・令和9年分に適用されます。2026年10月14日時点では施行前なので、施行日前の給与の源泉徴収などと年分の最終計算を混同しないでください。給与収入660万円未満では所得税法別表第五などによる計算となり、220万円未満には特則もあります。正確な金額・施行日前の取扱いは国税庁の表・注記・税制改正Q&Aを確認してください。

「給与所得控除」と「所得控除」は別物!3つの控除について

3つの控除について

控除には3つの種類があり、「収入から引く控除」、「所得控除」、「税額控除」があり、それぞれ異なるタイミングで控除されます。

3つの控除の違いを把握するために、まずは所得税の計算の流れを把握しましょう。下記が所得税の計算までの流れです。

給料(収入)−収入から引く控除(給与所得控除・特定支出控除)=所得
所得−所得控除=課税所得
(課税所得×所得税率)=所得税
所得税−税額控除=実際に納税する所得税

給料(収入)-(給与所得控除+特定支出控除)=所得

まず最初のタイミングで控除するのが給与所得控除と特定支出控除です。

個人事業主の場合は、給与所得控除と特定支出控除の代わりに、経費を活用できます。

所得−所得控除=課税所得

収入から給与所得控除・特定支出控除を引いて所得が計算された後、所得から所得控除を控除し、課税所得を計算します。

所得控除には次のようなものがあります。適用できる控除と要件は年分によって確認してください。

  • 雑損控除
  • 医療費控除
  • 社会保険料控除
  • 小規模企業共済等掛金控除
  • 生命保険料控除
  • 地震保険料控除
  • 寄付金控除
  • 寡婦控除・ひとり親控除
  • 勤労学生控除
  • 障害者控除
  • 配偶者控除
  • 配偶者特別控除
  • 扶養控除
  • 基礎控除

所得税−税額控除=実際に納税する所得税

課税所得から所得税率かけて計算された所得税から控除できるのが税額控除です。

「住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)」も税額控除の1つです。

  • 配当控除
  • 外国税額控除
  • 政党等寄附金特別控除
  • 認定NPO法人等寄附金特別控除
  • 公益社団法人等寄附金特別控除
  • (特定増改築等)住宅借入金等特別控除
  • 住宅耐震改修特別控除
  • 住宅特定改修特別税額控除
  • 認定住宅新築等特別税額控除
  • 試験研究を行った場合の所得税額の特別控除
  • 高度省エネルギー増進設備等を取得した場合の所得税額の特別控除
  • 中小事業者が機械等を取得した場合の所得税額の特別控除
  • 特定の地域において雇用者の数が増加した場合の所得税額の特別控除
  • 特定中小事業者が経営改善設備を取得した場合の所得税額の特別控除
  • 雇用者給与等支給額が増加した場合の所得税額の特別控除
  • 地方活力向上地域等において特定建物を取得した場合の所得税の特別控除
  • 地域経済牽(けん)引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の所得税の特別控除
  • 特定中小事業者が特定経営力向上設備等を取得した場合の所得税の特別控除
  • 革新的情報産業活用設備を取得した場合の所得税額の特別控除

その他控除

また、上記3種類以外として「青色申告特別控除」という控除もあります。

個人事業主が確定申告の際に、青色申告(通常は白色申告)をすることで控除が適用されます。

会社員の方はほとんど関係ありません。

源泉徴収票から3つの控除額がわかる

源泉徴収票のサンプル

自分の正確な控除額を知りたければ、年末にもらう源泉徴収票から控除を計算することができます。

それぞれの計算方法は下記の通りです。

給与所得控除・特定支出控除額の計算方法

源泉徴収票の「支払金額」と「給与所得控除後の金額」だけから、特定支出控除額を算出することはできません。特定支出控除は要件を満たす支出と証明書類に基づき、確定申告で計算します。

特定支出控除は、その年の特定支出額が給与所得控除額の2分の1を超える場合に、その超える部分を所得金額から差し引く制度です。支出の全額を差し引くものではありません。

所得控除の計算方法

先ほどの「給与所得控除後の金額」の右隣に「所得控除の額の合計」がありますが、これが所得控除になります。

その年に適用された所得控除の合計金額のため、詳しくは3段目や4段目にある各種控除の値からそれぞれの控除を計算できます。

税額控除の計算方法

税額控除は、適用する控除の要件と計算方法から確認します。源泉徴収税額から単純に逆算する方法では、税率の速算控除額や復興特別所得税等を正しく反映できません。源泉徴収票の該当欄と、各控除の公式案内を確認してください。

ただ、多くの人が関係する税額控除は「住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)」くらいなので、源泉徴収票の「住宅借入金等特別控除の額」の値が税額控除になっていると思います。

まとめ

収入・所得・課税所得の違い、そして3つの控除の違いはわかりましたでしょうか。

日常的に、税金の計算をすることはないため、ほとんどの方が初めて理解したと思います。

これからの時代は、副業が解禁になり、ますます自分のことは自分でやらなければいけない時代が到来します。

その時が来る前に、少しずつお金に関しての勉強をしておくと、役にたつかもしれません。

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