「立って仕事をすると作業効率が上がる」なんて聞いたことないですか?
海外では国ぐるみで立ちながら仕事ができるスタンディングデスクを推奨しており、日本の企業もスタンディングデスクを取り入れ始めています。
「仕事が捗るなら使ってみたい!」という方も多いはず。
そこで、スタンディングデスクに興味がある方のために、スタンディングデスク使用時の研究結果をもとに、スタンディングデスクの有用性や使い方についてお伝えします。
スタンディングデスクとは「立ったまま仕事ができるデスク」で、イギリス・オーストラリアでは国全体でスタンディングデスクの導入を推奨しているほど、新しい仕事環境改善方法の1つです。
日本でも取り入れている企業も増えており、現在既にスタンディングデスクを導入している企業がこちらです。
Apple | ||
マイクロソフト | マニュライフ生命 | |
楽天 | メタルワン | 三菱商事 |
ラスクル | アイリスオーヤマ | サイバーエージェント |
リングマークでおなじみのAppleに関しては、本社「アップルパーク」の全従業員に支給しています。
アップルCEOのティム・クック氏はスタンディングデスクを配布したことについて、「全従業員のデスクを100%スタンディングデスクにした。立ったり座ったりを繰り返す、その方がライフスタイルとして、はるかに良い」と述べています。
スタンディングディスクが注目された背景として、長時間の座りっぱなし状態の健康リスクがあります。
2000年頃、欧米諸国では「長時間の座位姿勢が健康被害を及ぼす」と問題視され、CMなどを利用して国ぐるみで長時間の座位姿勢を改善するよう企業に呼びかけました。
CADソフトウェアメーカーのオートデスク社元幹部・マーチャント氏は、アメリカで開かれたTEDカンファレンスにおいて次のように述べています。
人が座って過ごす時間の長さは一日平均9.3時間にもなり、平均睡眠時間の7.7時間よりも長いという。そして長い時間を座って過ごすライフスタイルを続けていると、乳がんや結腸がんのリスクがそれぞれ10%増加するほか、心臓病のリスクは6%、II型糖尿病のリスクは7%高まるという。
また、ロンドンで行われた794,577人を対象とした研究では、次のような結果が得られました。
ロンドンで行われた794,577人を対象とした実験で、座席時間が最も短いグループと長いグループで比較したところ、最も長いグループは下記の結果となった。
- 糖尿病112%増加
- 心血管疾患のリスクは147%増加
- 心血管死亡のリスク90%増加
- 全死因死亡のリスク49%増加
座位姿勢を長時間維持し続けることは、死亡リスクに繋がるのです。
この長時間の座位姿勢の改善案として注目を集めたのがスタンディングデスクなのです。
座位姿勢の改善から始まったスタンディングデスクの流行ですが、座位姿勢の改善以外にも効果があると期待されているのが「生産性の向上」です。
「生産性」というと抽象的な概念ですが、「集中力が向上した」データや「成約率が向上した」というデータが公表されているのです。
しかし、スタンディングデスクは過大評価されすぎているなどといったデータもあります。
そこで、これまで公表されているスタンディングデスクのメリット・デメリットの研究結果をまとめましたので、ご覧ください。
座りっぱなしの改善以外に見られた効果が下記の3つです。
テキサス大学が行なった、コールセンターの従業員を対象にした実験で、167人を2つのグループに分け、1つのグループを可変式のスタンディングデスク、1つのグループは座りながら仕事をしてもらった。
半年後に測定してみた結果、スタンディングデスクを使用していたグループの方が成約率が46%も高い結果となった。
米テキサス大学で行われた実験で、高校1年生34名を対象に24週間スタンディングデスクを使用してもらった結果、実行機能やワーキングメモリの数値に明らかな改善が見られ、認知能力テストのスコアが7〜14%の改善が見られた。
ニュージャージー州の公立小学校の例では、教室内の私語や徘徊が減り、授業への集中度が12%向上した。研究者は「そもそも子どもはエネルギッシュな存在です。机と椅子に縛り付け、動くと叱る方が間違っています。立って自由に体を動かしながら学ぶ方がやる気と集中する時間が続きます」と語っている。
立つことによって脳の働きを活発にする効果が期待されており、コールセンターの実験では成約率が46%も向上したそうです。
次にデメリットについてみていきます。
現在は「スタンディングデスクは過大評価されずぎだ」という声も多く、実際に健康への効果は期待できないという研究結果も発表されています。
フィンランド労働衛生研究所(FIOH)は2016年に、スタンディングデスクの使用に関する過去20件、対象者計2000人以上の研究を統合し、分析した結果を発表した。
それによると、各研究に手法や規模の問題があり、スタンディングデスクや、ランニングマシンを取り付けた「トレッドミルデスク」の長期的な健康効果を裏付ける証拠はほとんどないことが分かったという。
スタンディングデスクを続けることで消費されるカロリー量は、”たったの8kg”程度だそうで、健康面に関しては期待できないというデータもあります。
現時点で言えることは、長時間座位姿勢をしている方にはスタンディングデスクは必要で、仕事内容に応じて立ったり座ったり仕事をすることが最適だということです。
長時間、同じ姿勢でいることは身体に悪影響であり、これは立っている状態を長時間続けることも同じです。
そのため、スタンディングデスクを活用して、立ったり座ったりして仕事をすることが身体にとって負担の少ない状態と言えます。
スタンディングデスクを実際に使用する場合に注意して欲しいのが「スタンディングデスクの高さ」です。
スタンディングデスクは高すぎても低すぎても身体に負荷がかかってしまうので、最もリラックスして取り組めるパソコンを置いて肘が90度になる高さに設定しましょう。
立っている時間に関しては、明確な答えはありませんが、目安として「1時間30分」は立って仕事をする時間を設けるようにしましょう。
これは、上述したテキサス大学が行なったコールセンターの成約率が46%向上した時の”立って仕事をしていた時間”です。
また、スタンディングデスクを使用してから効果が現れたのがおおよそ1ヶ月後なので、辛抱強く取り組みましょう。
最後にスタンディングデスクの種類についてお伝えします。
スタンディングデスクには大きく3つの種類があり、現在の仕事場の状況を踏まえて選択しましょう。
値段 | 使い勝手 | |
---|---|---|
昇降式タイプ | × | ◎ |
固定式タイプ | ◎ | × |
机の上タイプ | △ | ○ |
スタンディングデスク自体に昇降機能がついており、高さを微調整できるタイプです。
それぞれの高さに都度変えられるので非常に使い勝手はいいですが、値段は3つの中で最も高いです。
昇降式タイプは、さらに「電動タイプ」と「手動タイプ」に分けることができます。
立ち仕事ができる高さで固定されているデスクで、高さの細かい調整や座り仕事ができない反面、1万円以内で購入することができます。
固定式タイプは、どうしても座ってできるようのデスクも必要になるので場所をとってしまいますが、まずはお試しにはピッタリです。
デスクの上に高さを調整できる置き台を装着するタイプで、デスクを買う必要もないので利便性は最も優れています。
今あるデスクの取り付けるだけなので、すぐにでも実装できます。
昇降式タイプよりは安いですが、固定式タイプよりは高く、数万円するものがほとんどです。
個人的にスタディングデスクを使ってみた感想は「気分転換にちょうどいい」です。
効果があるかどうかはわからないですが、同じ画面を同じ体制で見続けるのは集中力が切れてしまうので、切れたタイミングでスタンディングデスクで立ち仕事をやると、気分転換になり、集中力を取り戻せた気がします。
物は試しなので、1ヶ月ほど取り入れてみるのも悪くないですね。
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