プライミング効果とは心理学用語で、「事前に受けた情報によって、後の行動が影響を受ける」という現象を指す用語です。
聞きなれない用語かもしれないですが、日常生活からビジネスの現場まで、幅広く活用されており、あなたもきっと知らず知らずのうちにプライミング効果を体験しています。
今回は、プライミング効果について解説していきます。
「最初に受けた刺激・情報(プライム)が、後の行動(ターゲット)に影響を与えること」
プライミングとは「プライム(prime)」という英単語からきており、専門用語で最初の刺激を「プライム」、後の行動を「ターゲット」と言います。
人の行動の9割は「無意識」で決めているため、無意識に働きかける刺激(プライム)によって、後の行動(ターゲット)は決定されているのです。
例えば歯を磨く時、何でもない日だったら特に意識せずに歯を磨きますが、デートだったら丁寧に磨くと思います。
これも、デートという事前情報(プライム)から、歯を磨くという行為(ターゲット)に影響を与えている一例です。
プライミング効果の例をいくつかご紹介します。
小学校の時に必ず流行る引っ掛け問題の、「ピザを10回言ってみて!」もプライミング効果です。
ピザを10回言うことで、頭の中の潜在意識に「ピ(i)ザ(a)」が残り、「ひ(i)じ(a)」と答えるところを「ひ(i)ざ(a)」と答えてしまうのです。
まずは、こちらをご覧ください。
「あかさか」
それでは質問です。この穴埋めに何が当てはまるでしょうか。
「あ○さ○」
ほとんどの人が「あかさか」という回答に行き着いたと思います。
「あかさか」以外にも、たくさんの答えがあります。
このように、五感を通じて潜在意識に情報を伝えることで、後の行動に影響を与えるのです。
自分で判断していると思われる事柄も、様々な外的要因(プライム)によって影響を受けて意思決定がされています。
科学的に、プライミング効果が証明された実験結果をご紹介します。
2010年、心理学者ニコラスゲーガン氏が87名の女性を対象にして行なった実験です。
男女ペアでオーガニック食品に関しての議論を行わせ、その後、女性を2つのグループに分け、片方のグループには普通の音楽、片方のグループにはロマンチックな音楽がかかっている部屋で、それぞれ待機してもらいました。
最後に、最初のペアに戻り、男性が女性と連絡先を交換するよう声をかけさせたところ、普通の音楽を聞いていたグループの連絡先交換率は27.9%だったのに対し、ロマンチックな音楽を聞いていたグループは52.5%という結果になりました。
2005年、ユトレヒト大学のハンク・アーツ氏が行った実験で、被験者に適当なアンケートを答えたもらい、その後、洗剤の匂いをする部屋と無臭の2つにわけ、クッキーを食べてもらいました。
洗剤の匂いをする部屋でクッキーを食べたグループは、無臭の部屋でクッキーを食べたグループよりも、クッキーくずを掃除した人数が3倍いました。
プライミング効果は、意識的に行った動作だけでなく、無意識に得る情報でも効果を発揮するということがわかったのです。
お店のBGMなども注意して聞いてみると、プライミング効果を狙った選曲がかかっていることが多いです。
仕事で活用されるプライミング効果の2つの例をご紹介します。
最も分かりやすいプライミング効果が、CMで俳優を起用することです。
好感度の高い俳優を商品CMに起用することで、商品に対しても同様の印象を与えることができます。
アンケートの中に、「あなたは健康に気を使っていますか?」という設問を見たことはないでしょうか。実は、これもプライミング効果なのです。
「あなたは健康に気を使っていますか?」と問いかけ、答えさせることで、「私は健康に気を使っている」と思い込ませる効果があります。
健康食品のアンケートなどで頻繁に使われる方法で、アンケートで潜在意識に「健康」というキーワードを植え付け、健康食品のサンプルを配ることで見込み客を増やすことができます。
プライミング効果は、あらゆる五感の刺激でも効果が発揮されます。
お店のBGMや匂い、色など1つ1つの情報に意味を持たせることで、新規来店数や顧客獲得に繋がるのです。
「神は細部に宿る」という言葉の通り、1つ1つを見直し、プライミング効果を活用してみてください。
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