子どもが生まれると、子育てに時間を使うため、今まで通りに働くことが難しく、短時間社員等の措置で、給与が下がるケースが多いと思います。
給与が下がると標準報酬月額が下がり、結果として厚生年金保険料が下がり、将来貰える老齢厚生年金も下がります。
しかし、実は子どもが3歳未満の間は、将来貰える老齢厚生年金を下がるの防ぐことができる制度があることをご存知でしょうか?
今回は、9割の人が知らない、子育て世代に大きなメリットがある「養育期間標準報酬月額特例申立書」について見ていきたいと思います。
養育期間標準報酬月額特例とは、日本年金機構が行っている制度で、正式名称は「養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置」です。
制度の内容としては、育児によって老齢厚生年金の受給額が下がることを防ぐ目的で、子どもが3歳未満の間、何かしらの理由で給与が下がり、標準報酬月額が下がった場合、子どもが生まれる前の標準報酬月額が適用させる制度です。
養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置の提出書類で必要となってくるのが養育期間標準報酬月額特例申立書になります。
制度名称 | 養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置 |
---|---|
対象条件 | 3歳未満の子どもがいる親 |
対象期間 | 3歳到達日の翌日の月の前月まで |
提出時期 | |
提出書類 |
1.戸籍謄(抄)本または戸籍記載事項証明書 2.住民票(コピー不可・個人番号の記載がないもの) |
実際に、養育期間標準報酬月額特例の制度を活用することによってどの程度お金が浮くかを実際に計算してみましょう。
老齢厚生年金の受給額は、
に分けられるのですが、この中で養育期間標準報酬月額特例に関係するのは報酬比例年金額のみです。
報酬比例年金額は被保険者期間によって2つに分けられます。
※「平均標準報酬月額」と「平均標準報酬額」の違いは、年3回以下の賞与を含めるかどうかという違いです。
平成15年4月以降で計算した場合、子どもが生まれる前の標準報酬月額の30万円で、子どもが生まれてから20万円に減給した場合の将来の老齢厚生年金受給額は、約3,611年/年の差が生まれました。
平成37年以降、老齢厚生年金の受給は65歳以降に引き上げられるため、85歳まで受給した場合、養育期間標準報酬月額特例を活用することで72,220円のメリットが生まれます。
書類を提出するだけで、将来貰えるお金が7万円増えるのであれば、やらない手はないですね。
養育期間標準報酬月額特例ですが、父親も対象であり、いかなる理由があろうと標準報酬月額が下がれば対象となります。
一例として、下記のケースでも対象となります。
養育期間標準報酬月額特例の手続きの流れは至ってシンプルで
です。
ただし、1つデメリットを言うならば、必要書類をそろえることが少しだけ面倒です。
必要書類は下記の通りです。
上記のいずれも市役所で取得できますが、市区町村によって必要書類が異なるケースがあるため、事前に確認しましょう。
郵送でも対応可能です。
何かしらの理由で、子どもが生まれる前の標準報酬月額よりも生まれた後が下がった場合、速やかに必要書類を揃えて事業所に提出しましょう。
提出が遅れた場合でも、最大2年は遡ることができます。
養育期間標準報酬月額特例申立書を提出する上で、いくつかの注意事項をお伝えしておきます。
いえ、ご自身で申し出ないと手続きは行ってくれません。
それぞれの事業所ごとに提出が必要です。
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