「正社員ではなくパートで働いていても、出産手当や育児手当は貰えるの?」疑問に思われる方、ご安心ください、条件が合致すればパートや有期契約労働者でも受給可能です。
出産手当、育児手当を両方とも全額受給するためには、下記4つの条件を全て満たす必要があります。
ただし、上記条件が合致していなかった場合でも、出産手当・育児手当それぞれ支給要件が異なるため、片一方は受給できる可能性が大いにありますので、今回は出産手当・育児手当の支給要件をそれぞれ確認し、どうすれば受給できるかをお伝えしていこうと思います。
産休・育休手当が支給されるどうか把握するために、まずはご自身の雇用契約状況を把握しておく必要があります。
雇用契約形態は大きく「労働期間の有無」と「労働時間」によって4種類に分類され、パートとは「短時間労働者」の「無期契約」及び「有期契約」のいずれかに該当します。
無期契約 | 有期契約 | |
---|---|---|
常用労働者 | 正社員 | 有期契約社員 |
短時間労働者 | 短時間正社員・パート・アルバイト | 有期契約社員・パート・アルバイト |
産休・育休の手当てを貰う上で、「無期契約」あるいは「有期契約」のいずれかによって支給要件が大きく関わってきますので、必ず「労働条件通知書」や「雇用契約書」は確認しましょう。
「特に何も言われていないし、雇用契約書(労働条件通知書)なんて貰ってないよ」という方は原則「無期雇用」に該当しますが、必ず確認してください。
知らずに「有期契約」として労働条件を結んでいる可能性があるので気を付けましょう。
また、雇用契約状況を把握したうえで、産休手当・育休手当の基本情報を見ていきます。
出産手当・育児手当のそれぞれの正式名称は「出産手当金」と「育児休業給付金」と呼ばれ、基本情報は下記のとおりです。
産休手当 | 育休手当 | |
---|---|---|
正式名称 | 出産手当金 | 育児休業給付金 |
管轄 |
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支給要件 |
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支給期間 | 産前42日間+産後56日間 (※出産日は「産前」) |
産後57日目~最長2年 |
支給金額 (目安) |
過去12ヶ月の平均給与の67% | 過去6ヶ月の平均給与の67% (※180日以降は50%) |
産休手当・育休手当共に支給要件の最も重要な点として、雇用保険・健康保険に原則加入していることが条件であり、雇用契約期間が産休中、育休中が終わるまで続いている必要があります。
それでは、具体的に「無期契約」のパートタイム労働者、「有期契約」のパートタイム労働者の産休手当・育休手当をそれぞれみていきます。
「無期契約」とは契約期間が決められておらず、本人が希望する限り原則定年まで働くことができる雇用形態で、無期契約のパートタイム労働者は下記条件をクリアしていれば産休・育休共に受給可能です。
問題は有期契約のパートタイム労働者ですが、産休手当・育休手当共に「継続して働く見込みがある」ことが条件であるため、産休中、あるいは育休中に雇用契約期間が終わってしまう場合は支給要件から外れてしまいます。
そのため、有期契約の場合は無期契約のパートタイム労働者の支給要件に追加して、下記2項目が支給要件となります。
出産手当金も育児休業給付金も、どちらも「継続して雇用する」方に支払われる支援金なので、原則雇用契約が打ち切られてしまった場合は支給対象外となります。
有期契約の場合は、しっかり契約期間を確認しておかないと後で痛い目を見る可能性があるため、産休・育休に入る前に事前に契約期間を確認しておきましょう。
最後に豆知識として覚えておいておきた豆知識は、育児休業給付金は収入に加味されないというお話です。
育児休業給付金が収入に加味されないとどうなるかというと、お金をもらいながら夫の扶養に入ることができ、「配偶者控除」によって夫の所得税と住民税を減税することができるのです。
「知らなかった!」という方は、確定申告は過去5年まで遡ることができるので、間に合う方は管轄の税務署にいって確認しましょう。
配偶者控除の控除額は38万円であり、確定申告をし忘れていた場合に戻ってくるお金はおおよそ15%程度の5万円程度です。
手続き自体、確定申告を忘れた年度の「源泉徴収票」があれば、10分で手続き自体はできてしまい、仮に2年間配偶者控除を忘れていた場合は10万円が戻ってくるので、是非確定申告にチャレンジしましょう。
また、出産手当金は「収入」として加味されますのでご注意ください。
パートによっても産休・育休手当の条件は異なるため、まずはご自身の雇用契約書、あるいは労働条件通知書を確認しましょう。
持っていなければ、事業主に確認して見せてもらいましょう。
もし事業主も雇用契約書、労働条件通知書を持っていなければ、口頭で「契約期間の有無」を確認し、有期契約であればいつまでの契約期間か確認しましょう。
産休・育休手当を合算すると100万円以上の金額になるので、慎重に確認しながら進めていきましょう。
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