公開日:2019年03月24日 / 最終更新日:2021年04月12日
ふるさと納税の実質2000円の正体を徹底解説!所得税・住民税の仕組みと上限額の計算方法

ふるさと納税というと、「最高級黒毛和牛」や「特上うなぎ」などの豪華なお礼品が実質2000円で購入できるという認識を持っていると思います。
ここ最近では、旅行も出来るなど、お礼品は年々豪華なものになっています。
しかし、その”実質2,000円”の仕組みについて理解している人は少ないと思います。
今回は、実質2000円の仕組みを正しく理解し、自己負担2000円の計算方法、2000円を超えた分に関しての還付の流れについてお伝えしようと思います。
ふるさと納税が実質自己負担分2000円で行える仕組み
ふるさと納税を利用すると実質2000円で豪華なお礼品が貰える仕組みは
- 所得税の「寄附金控除」
- 住民税の「寄附金税額控除」
によって成り立っています。
所得税の「寄附金控除」
特定の団体や地域に寄附をした場合、寄附した金額に応じて寄附金控除が適用される控除で、寄附金の上限を所得の40%とし、確定申告をすることで所得控除を受けることができます。
また、「寄附金控除」と似た制度で「寄附金特別控除」は、「認定NPO法人」「政党」「寄附金特別控除」に寄附をした場合に使える税額控除で、寄附金控除とは計算方法が異なります。
住民税の「寄附金税額控除」
住んでいる地域の団体に寄附した際に使える控除で、寄附金の上限を所得の30%とし、確定申告を行えば自動で受けられる税額控除です。
寄附金税額控除は通常、「基本控除額」のみ税額控除されますが、ふるさと納税をした場合のみ、「特例控除額」も税額控除されます。
住民税の寄附金税額控除の「基本控除額」
寄附金税額控除の基本的な控除で、これは寄附金税額控除に該当する寄附を行った場合、2000円を超える値の10%が税額控除の対象となります。
住民税の寄附金税額控除の「特例控除額」
ふるさと納税の魅力は寄附金税額控除の特例控除額で、住民税の住民税所得割額の2割を上限に、税額控除を受けることができます。
特例控除額があるおかげで、”実質2000円”で豪華なお礼品を受け取れるのです。
- 寄附金控除
- 寄附金税額控除(基本控除額)
- 寄附金税額控除(特例控除額)
の3つの控除を足すと、【寄附金 – 2000円】が還付されるという仕組みになるわけです。
実質の自己負担金額が2000円でふるさと納税を行う方法
2000円を超えた額が全額控除される訳ではなく、ふるさと納税の寄附金額にも上限があり、上限を超えた金額に関しては還付されません。
実質2000円の自己負担額に収めるには、ふるさと納税の上限を知っておく必要があります。
ふるさと納税の上限は住民税所得割額の2割
ふるさと納税の寄附金税額控除の特例控除額の上限は住民税所得割額の2割ですが、住民税所得割額を正確に計算するのはお勧めしません。
そのため、ふるさと納税の上限額のおおよその金額を昨年度の源泉徴収票を元に計算する方法があります。
昨年度の年末調整された源泉徴収票を活用し、ふるさと納税の上限シミュレーションで入力して調べる方法です。
昨年度と扶養人数が変わっていたり、医療費控除などがある場合は、その点に注意しながら記入して下さい。
ふるさと納税の2000円の自己負担分以外の還付の流れ
2000円以外は所得税と住民税で還付されるということですが、所得税・住民税ともに還付されるタイミング・方法が異なります。
所得税・住民税の還付はそれぞれ下記の通りです。
所得税はふるさと納税した翌年の4月〜5月頃に還付
所得税はふるさと納税した翌年の4月〜5月に、指定した銀行口座に税務署から直接振り込まれます。
ワンストップ制度を利用していない場合は、必ず確定申告を行いましょう。
住民税は翌年6月〜翌々年5月までの住民税の納付額の減税
住民税は所得税と異なり、支払い税金が減税されるため、還付金がもらえるというわけではありません。
住民税は6月から翌年の5月に渡って納税しますが、還付金が12で割り、月々の住民税の納税額が減額されます。
まとめ
- 実質2000円の正体は所得税の「寄附金控除」と住民税の「寄附金税額控除」
- 上限は昨年度の源泉徴収票を元にシミュレーションサイトを活用する
- 所得税は翌年の4月〜5月に還付、住民税は1年に渡って納税額から減税